AIの問題点とは何か？企業が注意すべきポイント

AIの技術が進歩する中で、従来はなかった問題点も顕在化してきました。すでに、AIは日常生活やビジネスなど多くの場面で活用されているため、AIの問題点は幅広い分野に影響を及ぼします。

この記事では、企業が把握しておくべきAIの問題点や、AIを適切に活用するために注意すべきポイントについて解説します。AIをトラブルなく活用したい方はぜひ参考にしてください。

企業がAIを活用していくには注意が必要

AIは便利ではあるものの、活用にあたっては問題点を理解しておくことが重要です。悪意なくAIを活用している企業であっても、気づかない間にトラブルに巻き込まれてしまうリスクがあります。どのような問題点があるか把握した上で、AIの導入や運用を適切に行う必要があります。

また、AIに関するメリット・デメリットや、どのような種類があるかなども把握しておくことが重要です。

企業が把握しておくべきAIの問題点

企業でAIを活用するにあたって把握しておくべき主な問題点は次の通りです。

AIの主な問題点

• シンギュラリティの問題
• 事故発生時の責任問題
• 倫理的判断の問題
• プライバシーの問題
• AI失業の問題
• 情報漏えいリスクの問題
• ブラックボックス化の問題

シンギュラリティの問題

シンギュラリティとは、AIが人間の知能を超えてしまう現象で、将来起こる可能性があるのではないかと考えられています。シンギュラリティが実際に起きた場合、人間がAIを制御しきれなくなる可能性があることなどが問題点です。シンギュラリティに到達するタイミングは、2040年前後など諸説あり、実際にシンギュラリティが起こること自体、懐疑的に考える人もいます。

事故発生時の責任問題

AIが自動で行った作業による事故が発生した場合、誰が責任を取るべきか明確でないことも問題です。自律的に動作するAIは、活用している人間にも予想がつかないような事故を引き起こす危険性があります。AIによる事故については法整備が追いついていないため、自社が加害者や被害者になった場合にどう対応すべきかが課題です。

倫理的判断の問題

AIはデータに基づく合理的な判断はできるものの、倫理的に正しいかどうか吟味することができません。特に、医療や救急など人命にかかわる分野では、AIが倫理的に誤った判断を下してしまうリスクがあります。

プライバシーの問題

AIによる個人情報の収集がプライバシーの侵害にあたるということも、問題点の一つです。例えば、おすすめ商品を自動表示するレコメンドシステムのAIには、顧客情報と購入履歴を紐づけたデータが入力されます。ユーザーが知られたくない情報までAIが収集してしまうとトラブルになるため、適切な対処が必要です。規約の整備や、収集した個人情報の利用範囲を限定することなどがプライバシーの保護につながります。

AI失業の問題

AI失業とは、AIを搭載したシステムやロボットが人間の仕事を奪ってしまう問題のことです。反復の多い業務や、成果物の形式が予め決められている業務は、AIに代替されてしまうリスクがあります。例えば、データの入力やチェックなどは人間が行うよりもAIが行った方が効率的です。また、会計処理など正しい手順が決められている業務もAIが得意としています。利便性が高い反面、既存の職種から仕事を奪ってしまう可能性もあることがAIの問題点です。

情報漏えいリスクの問題

AI活用には、情報漏えいのリスクもあります。例えば、売上予測や経営施策の分析のために自社のデータをAIに学習させた場合、AIへのハッキングを受けると危険です。また、AIにアクセスできる社内の人間による不正利用で、機密情報が外部に流出することも懸念されます。さらに、AIを使った高度なサイバー攻撃を受けるリスクがあることも注意すべき問題点です。

ブラックボックス化の問題

ブラックボックス化とは、実際に行われている作業の内容が分からなくなってしまうことを指します。AIを使った分析や最適化は精度が高いものの、なぜそのような結論に至ったかという過程が分からないことも一般的です。特に、ディープラーニングなどの最新技術を使ったAIでは、システムの動作がブラックボックス化する場合があります。出力された結果を信頼していいか分からなくなったり、根拠を説明できなかったりすることがブラックボックス化の問題点です。

AIの問題点を理解し適切に活用していくことが重要

企業におけるAIの活用方法として、業務の効率化やデータの予測などが挙げられます。ただし、導入によって起こり得る問題点を把握した上で、活用範囲を検討することが大切です。AIにどのような情報を学習させるか、どのような業務を任せるかなどを考える必要があります。人間による判断が必要と思われる作業は引き続き人間が行うなど、AIの適切な活用方法を模索しましょう。

AIには、事故発生時の責任問題や情報漏えいリスク、ブラックボックス化などいくつかの問題点があります。AIを利用する業務内容を検討し、トラブルが起きにくい範囲で活用することが大切です。AIの問題点を理解した上で、適切に活用していきましょう。