データによってリアルタイムに状況を理解できるとしたら?
※本ページはこちらの英語版を日本語に翻訳したものです。
課題
この世界的なアルミニウムメーカーのリサイクル部門は、リサイクル工程の進捗状況(トラックの位置・到着時間、化学合成状況など)をトランシーバーや電話を使って担当者に逐一確認していました。リアルタイムに情報を把握し難いのに加え、会話自体にも時間を要してしまい、非効率で生産性が良くないことに悩んでいました。
解決策
同社は Domo を活用して、トラックの位置から溶かしたアルミニウムの化学組成に至るまで、スタッフがあらゆる情報を完全に把握できるビジネスアプリを構築しました。
効果
このビジネスアプリのおかげで、同社は担当者へそれぞれ確認する煩雑なコミュニケーションを無くし、作業効率が大幅に向上しました。
Constellium は Domo でアルミニウムのリサイクル能力を向上
アルミニウムは、ソフトドリンク缶からジャンボジェット機まで、あらゆるものの製造に使用されている、とても汎用性の高い素材です。しかしさらに重要なのは、アルミニウムはすべての機能を維持したまま無限にリサイクルでき、そのエネルギーコストは新しくアルミニウムを生産する場合の数分の一で済み、そして収益と環境保全の両方を改善するために、リサイクルしたアルミニウムを使うことが適切な選択肢となっていることです。
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アルミニウム製品の大手メーカーであるConstelliumは、マッスル ショールズ(アラバマ州の都市)の施設で、年間 200 億個の缶を新しいアルミニウムに再利用するという、優れたリサイクル能力を備えています。リサイクル施設の効率を高めるため、Constellium はDomo を活用して、組織全体でリアルタイムに情報を共有しています。
アラバマ州のマッスル ショールズにある、Constelliumのアルミニウムリサイクル工場のAPUマネージャー、タイラー・ホルツィンガー氏は、このように述べています。
「Domoを活用して、さらに継続的にプロセスをモニタリングできるようになりました。これにより問題に迅速に対応したり、問題が発生する前に予測・予防することができるようになりました。」(ホルツィンガー氏)
ビジネスアプリでインサイトを解き明かす
アルミニウムのリサイクルは、スクラップを集約して準備し、溶解してインゴットに鋳造し、製造のために板状に圧延するという複雑な工程を行います。アルミニウム合金の種類が異なれば、必要な化学組成も異なり、慎重にバランスをとる必要があります。製錬所ではアルミニウムを溶かすために 1,350°F (約732℃)以上で燃焼し、溶解直後に鋳造工場に輸送しなければなりません。
Domoを活用する以前は、リサイクル工場のスタッフや管理者は無線、電話、足を使ってアルミニウム等の所在地を伝えて、問題をトラッキングしなければなりませんでした。
コミュニケーションを改善して効率性を高めるために、Constellium のリサイクル施設は、Domo上にビジネスアプリを構築しました。施設管理者からトラック運転手までの誰もが、このビジネスアプリを使用して他者との調整ごとを改善し、パフォーマンスを最適化できます。このビジネスアプリは、アルミニウムが製錬プロセスのどこにあるかを表示するので、アルミニウムを鋳造のために輸送するタイミングに合わせて、トラックを準備できます。トラックの位置情報もリアルタイムに確認できるため、他のスタッフはトラックの到着に備えて準備することも可能です。また、作業工程の全体を通じてデータを取得することで、マネージャーは各シフトをより適切に計画できるので、予期せぬ事態を避けることができます。
Constellium のスクラップ マネージャーであるショーン・チェイビス氏は述べています。
「Domo のおかげで炉の効率性が向上し、シフトごとにより多くのトラックを道路に配置できるようになりました。」(チェイビス氏)
全員が一丸となって取り組む
Constellium が Domo上のビジネスアプリを使用する主な目的は、プロセスの可視性を高めてスタッフのコミュニケーションを改善することです。スタッフが無線で絶え間なく話したり、互いに留守電を入れあって連絡がつかない状況を止めました。そして誰もが自分の携帯電話やタブレットから Domo上のビジネスアプリを見て、すべてがどこにあるのかをリアルタイムで正確に確認できるようになりました。
「以前は適切な人材を探したり、コーディネーターに連絡を取ったり、トラックを追跡したりすることが何度もありました。今では、トラックがどこにあるのか、誰がその仕事をしているのか、次に何が起こるのか、画面を見ただけで全てわかるようになったため、こうした問題を全部解消できました」(チェイビス氏)
リサイクル工場は 24 時間年中無休の施設なので、ビジネスアプリを使用すると、工場管理者は営業時間外や週末の緊急時でも、最新情報を入手しやすくなります。夜中に工場に来る代わりに、どこからでも行動を起こすことができるようになりました。
Constelliumの運用スーパーバイザー、キース・ペースは言いました。
「溶かしたアルミニウムを坩堝に入れる前に、溶融炉内にある硬化剤を増やさなければならないケースがありました。私はそれをリモートで監視しました。」(ペース氏)
「誰かに電話をかける必要はありませんでした。化学反応の変化をリアルタイムで確認して、仕様を満たしていることを確認できました。」 (ペース氏)
化学組成のバランスの確保
合金が異なれば必要な化学組成も異なるため、作業単位ごとに化学組成を監視することが重要です。Domo のビジネスアプリを使用すると、作業者は作業単位ごとの化学バランスをリアルタイムで監視し、もし調整が必要な場合はアラートを受け取ることができます。
「スプレッドシートで数値を見るのとは対照的に、ビジネスアプリでは色を使って化学反応が高いか低いかを直感的に確認できます。これにより人為的なミスの可能性を減らせます。」(ホルツィンガー氏)
「化学反応を可視化することで、アルミニウムが鋳造工場に届くまで待つのではなく、まだ炉の中にある段階で対応措置を始めることができますし、対応措置には何時間もかかることがあります。」 (ホルツィンガー氏)
Domo 上のビジネスアプリのおかげで、Constelliumは効率性を高める新しい方法を見つけることができました。この施設の運営は 2 つの別々の構造で行われていて、溶融アルミニウムを坩堝に入れてトラックで輸送する必要があるため、バックアップやダウンタイムを避けるために、その作業を慎重に同期させることが重要です。
「アルミニウムは、鋳造所に移す工程を始めると冷え始める特徴があります。そのためこの工程では、タイミングが非常に重要です。しかしビジネスアプリのおかげで、アルミニウムが時間どおりに、適切な温度で、適切な量だけが確実に届くようになりました。」(チャビス氏)
「このビジネスアプリの優れた点は、視覚的に操作を管理できることです。例えば、トラックが長時間待ち続けていると、ビジネスアプリが赤く点滅し、コーディネーターにトラックの状況を確認するように知らせます。」(チャビス氏)
Domoでデータドリブンな運用を可能にすることで、Constelliumはデータを活用する新たな方法を検討し始めています。