データアンバサダーとは?
データアンバサダーとは?役割やスキル、DXやデータの民主化との関係性などを解説
データアンバサダーとは?
データアンバサダーにはどんな役割がある?
データアンバサダーに求められるマインドセットとスキル
データアンバサダーが必要な理由
まとめ
データアンバサダーをもっと詳しく
「データの民主化」による企業の全社データ活用がビジネス拡大に重要な要素となっている今、データアンバサダーの役割やスキルを理解し、専任の職務として設置することが重要です。
データアンバサダーとは?役割やスキル、DXやデータの民主化との関係性などを解説
データアンバサダーとは?
データアンバサダーとは、全社でのデータ活用を実現するために、「データの民主化」を推進し、企業文化として根付かせる人のことです。
データの理解やビジネスへの精通、ITスキルに加えて、「現状を変えなければならない」という強い課題感を持っていることが重要です。また、KGIやKPIに合わせてビジョンや戦略を進めていくと共に、ビジネスに関わる重要なキーマンとの高いコミュニケーション能力を備えていることが求められます。
データアンバサダーにはどんな役割がある?
データアンバサダーの役割を知る上でまず理解しておきたいのが、データアンバサダーはあくまでも「現場」を向き、「現場」においてベストなデータ活用のあり方を企業文化として醸成していくという点です。
企業によっては、CIO(最高情報責任者)やDX担当責任者などがITやDX戦略を経営面で責任を負っているケースもありますが、データアンバサダーは、DX戦略を社内全体に広めたり、部署ごとのデータのサイロ化を無くしたりなど、経営から現場まで、全社でデータを活用していくという目的を中心に「データの民主化」の文化を定着させることが重要な役割となります。
データアンバサダーの役割
・「データの民主化」の推進
・社内全体におけるデータのサイロ化を解消
・各現場の業務とビジネス目標を理解
・多種多様なデータの正しい取り扱い方法の教育
・ツールの使い方や統計、データ分析方法などの活用支援
・データガバナンスとセキュリティのコントロールサポート
・定期的かつ継続的な活動状況の把握
「データの民主化」により、DXを推進し、データドリブンなビジネス環境を実現することで、あらゆる人が自らの業務やビジネス課題に対してデータを積極的かつ日常的に生かせるようになり、社員全体のモチベーションを高め、企業文化を変えることがデータアンバサダーの果たすべき役割です。
データアンバサダーに求められるマインドセットとスキル
データアンバサダーの業務は多岐にわたりますが、多くの場合は7つのマインドセットとスキルに分かれていて、それぞれに対して遂行する業務が異なります。
データアンバサダーのマインドセットとスキル
データ理解力
データ分析のエキスパートではない人にも広くデータを利用してもらうため、収集したデータの意味や、可視化されたデータの読み解き方など、基礎的なデータへの理解はもちろん、統計、分析手法、データに関わるテクノロジーや理論についても理解しておく必要があります。
変革へのマインド
企業全体で「現状を変える」「部署や組織を超えたデータドリブンな環境構築」を実現するためには、その過程でシステム・リソース・人など、さまざまな問題に直面しますが、どんな状況下においても明確なビジョンを持って役割を実行するマインドが必要となります。
未来志向
結果指標だけでなく、先行指標の重要性や価値についても深く理解し、データドリブン、すなわちデータに基づいた、意思決定とビジネスの成功戦略を構築する能力が必要となります。
コミュニケーション力
データ分析に多様性をもたらし、サイロ化や対立を解消するためには、企業内のさまざまな利害関係に顔が利き、あらゆる部署や人との架け橋となる高いコミュニケーション力が必要となります。
質問力
現場視点でデータ活用を推進する、業務とデータの両方に精通した責任者として、あらゆる事業や業務に対して広く深い見識を持ち、データを適切に拾い上げ、顧客、現場、経営、パートナーなど、あらゆる側面から質問を投げかけ、質の高いデータ分析を行う必要があります。
説明責任能力
データの民主化を実行するため、DX戦略・データドリブン経営・現場のデータ活用などを適切に理解し、施策のプランニング、準備、企業文化の醸成、ツールの定着、変更管理などに責任を持ち、説明をしっかり行えるようにする必要があります。
目標への理解力
部署や事業ごとの部分最適ではなく、それぞれのKGIやKPI、ミッションといった目標を理解した上で、全体最適を目指す意識が求められます。
データアンバサダーが必要な理由
データアンバサダーが企業にとって必要な理由は、全社データ活用を実現ために「データの民主化」を行うことと同時に、DXの推進、データドリブンなビジネス環境の構築、企業文化として醸成を、包括的に全社に対して発信する必要があるためです。
「DX レポート 2.2」(経済産業省)によると、分散したデータの統合やその戦略的活用について、75.8%がサービスの創造・革新の必要性は理解しているのに対して、実際に成果が出ているのはわずか4.8%に留まっています。
また、DX レポート 2.2では、デジタルで収益向上を達成するための特徴として以下が記されています。
〜抜粋〜
“DXにおける競争優位性は、製品・サービス中心ではなく、顧客志向を徹底することにある。その際には、顧客行動をデータでどれだけ可視化(再現)できているかが差別化要因になる。同じく、DXにおける競争優位性は、個人単位の強みに頼るのではなく、組織レベルで集積されてこそ発揮されるものである。その際には、組織や業務を横断してどれだけ広範囲にデータが共有され、活用できているかが重要である。”
出典)DX レポート 2.2 – 経済産業省
このことからも戦略的に全社でのデータ活用することを推進し、文化として醸成させるデータアンバサダーの役割が重要になっていると考えられます。
専任の職務ではなく、まずはITシステムへの投資やツールを増やせばいいのでは?と考える企業もあるかと思いますが、データアンバサダーはシステムやツールの導入を目的としているわけではありません。全社でデータを活用するという前提に基づいて「データの民主化」を実現し、現場での活用方法を探り、その結果を把握して次のステップで改善のアクションへとつなげていくことが求められているため、専任の職務としてデータアンバサダーを設置し、責任を持って取り組む必要があります。
まとめ
ここまでデータアンバサダーとは何かについて、役割やスキルなどをご紹介してきました。昨今のDX推進に伴い、企業のデジタル化がより一層進む一方で、企業に眠っていたビッグデータを活用し、誰もが高度なデータ分析の実現を行うことは難しいと感じている企業も多いのではないでしょうか。
全社データ活用を実現する=「データの民主化」を実現させるデータアンバサダーを専任の職務として設置することで、データ活用のあり方を企業文化として醸成させ、真の意味で「データの民主化」を実現させてみてはいかがでしょうか。
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