AIの種類にはどのようなものがあるのか？

AIは、できることなどによっていくつかの種類に分類されます。AIの種類によって活用できる分野や用途が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

この記事では、AIの種類や実現できることについて解説します。ビジネスにAIを取り入れてみたい方や、AIの活用方法に興味がある方はぜひ参考にしてください。

AIとは

AIとは「Artificial Intelligence（人工知能）」の略称です。人間が行うような認識や分析をコンピュータで実現する技術がAIと呼ばれます。

AIの種類：強いAIと弱いAI

「強いAI」と「弱いAI」とは、人間が持っているのと同じような意識の有無によりAIの種類を分ける用語です。強いAIと弱いAIには、次のような違いがあります。

強いAI

強いAIとは、人間のような意識を持ち、自律した思考活動ができるAIのことです。ただし、強いAIは今のところ現実世界には存在していません。小説や映画などのフィクション作品の中には、強いAIが登場する場合があります。

強いAIという概念は、「機械には人間と同じような意識や精神が宿るか」という議論の中で考案されました。機会がどのような条件を満たした場合に「意識を持っている」と判断するかの基準も含めて、さまざまな説が提唱されています。

弱いAI

弱いAIとは、人間のような意識や精神を持たないAIのことです。これまでに実用化されている全てのAIは、弱いAIに分類されます。弱いAIは人間の思考活動の一部を模倣できるものの、精神や意識が宿っているとは見なされません。

AIの種類：特化型と汎用型

「特化型AI」と「汎用型AI」は、実現できることの範囲によってAIの種類を分ける用語です。それぞれ次のような特徴があります。

特化型AI（ANI）

特化型AIは、何らかの機能に特化しているAIのことです。「Artificial Narrow Intelligence」の頭文字をとって、ANIと呼ばれる場合もあります。囲碁や将棋の対局や、気候変動のシミュレーションなど、予め決められた課題だけを解決できることが特化型の特徴です。現在実用化されているAIは特化型AIに分類されます。

汎用型AI（AGI）

汎用型AIは、様々な課題を幅広く解決する能力を持ったAIのことです。「Artificial General Intelligence」を省略して、AGIと呼ばれることもあります。汎用型AIは、システムがおかれた状況を自律的に判断し、問題を解決することが可能です。汎用型AIに関する研究開発は行われているものの、まだ実用化はされていません。

もう一つのAI「人工超知能」

特化型AIと汎用型AIに加えて、さらに進歩したAIとして「人口超知能（ASI：artificial super intelligence）」が将来的に登場するのではないかともいわれています。この人工超知能は人類の知性を超えたものとされ、人間には制御ができなくなるという懸念もあります。

AIの種類：技術・システム

AIの種類は、活用されている技術やシステムによって分類することも可能です。代表的な種類として、次のようなものが挙げられます。

画像認識

画像認識は、静止画や動画などを分析し、含まれている情報を認識するAIの機能です。手書きの文字を識別したり、映像に写っている人間の顔を抽出したりできます。また、画像の内容に応じてカテゴリ分けすることも可能です。工場に設置されたカメラから異常や不良品などを検知する場合にも、AIによる画像認識が使われます。

音声認識

音声認識は、音声データを分析し、情報を抽出するAIの機能です。人間が話している音声を認識し、文字情報に変換することができます。複数人の会話から声の違いを聞き分け、誰が何を話したか識別することも可能です。

自然言語処理

自然言語処理とは、文章の意味を読み取ったり、学習データを参考にして新たな文章を生成したりするAIの機能です。自然言語処理は、形態素解析や構文解析など、言葉の意味を把握するための技術によって実現されます。自然言語処理と音声認識を組み合わせると、音声による入力でアプリや機器を操作することも可能です。翻訳ソフトやスマートスピーカーなどに、自然言語処理が使われています。

機械制御

機械制御は、ロボットや自動車などの動作を制御するAIの機能です。状況に応じた最適な動作を導き出したり、複雑な作業を自動的に行ったりするために機械制御が使われます。対象物の形状や重さ、加速度、周囲の温度など様々な情報をAIが学習し、機械を制御することが可能です。機械制御を行うAIは製造業や運輸業、研究開発など幅広い分野で導入されています。

ただし、これらの種類は、現在活用されているAIの中のごく一部です。他にも、画像生成や将来のデータ予測など、様々な機能を持つAIがあります。

おわりに

AIは、できることの範囲や活用されている技術などによって、いくつかの種類に分けることが可能です。代表的な種類として、強いAI・弱いAIや、特化型AI・汎用型AIなどが挙げられます。また、画像認識や音声認識など、活用されている技術による分類もAIの種類を分ける方法の一つです。AIの種類やそれぞれの特徴を知り、適切に活用しましょう。