KPIの設定方法とは？目的や具体例と併せて解説

KPIという用語を見聞きしたことがあるものの、設定方法などがよく分からないという方も多いのではないでしょうか。ビジネスで成果を上げるには、KPIについて理解し、活用することが効果的です。
この記事ではKPIを設定する目的やメリット、KPIの設定方法について具体例を交えながら解説します。営業やマーケティングなど、成果が問われる分野でKPIを活用したい方はぜひ参考にしてください。

KPIとは

KPIとは「Key Performance Indicator」の略称で、日本語では重要業績評価指標とも呼び、目標を達成するための鍵となる指標という意味があります。例えば、営業では商談件数や受注件数、マーケティングではコンバージョン率やリピート購入率などをKPIとして設定することが可能です。

併せて確認！ KGIとは

KPIと共に押さえておきたい用語として、KGIが挙げられます。KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、最終的に目指すべきゴールを数値化した指標です。1つのKGIに対して、達成までのプロセスでクリアすべき指標としていくつかのKPIが設定されます。

KPIを設定する目的

KPIを設定すると、すべきことの明確化が可能です。目標達成に向けたタスクを絞り込み、着実に実行するためにKPIが役立ちます。また、各タスクで達成すべき基準や締切などを数値化することも、KPIを設定する目的です。

KPIを設定するメリット

KPIを設定するメリットとして、目標と進捗状況を可視化できることが挙げられます。多くのメンバーがいる組織でも、KPIを共通の目標として日々の業務に取り組むことが可能です。また、達成すべき数値が明確になるため、モチベーションの向上にもつながります。

各メンバーの成果を評価するための定量的な基準が得られることも、KPIを設定するメリットです。

KPIの設定方法と具体例

では、実際にKPIを設定する際の具体的な方法を見ていきましょう。

KGIを設定する

KPIを設定する際は、はじめに最終的に目指すべきKGIを設定します。ビジネスシーンにおいては、期限内に達成したい売上や収益などをKGIとして決めることが一般的です。例えば、「3か月以内に売上を300万円アップさせる」といったKGIを設定しましょう。

KGIの設定が不十分だと、KPIの設定もうまくいきません。そのため、KGIは慎重に決めることが大切です。これまでの実績に基づいて、少し上の成果を目指すようにすると、無理なく有意義なKGIを設定できます。

KGI達成までのプロセスを洗い出し

次に、KGIを達成するまでのプロセスを洗い出しましょう。KGIから順に逆算していくと、プロセスを抜け漏れなく明確化できます。これらのプロセスをKPIとして設定し、KGIを頂点に、そこから枝葉のようにKPIを配置していく「KPIツリー」の形で書き出していくのもおすすめです。

例えば、KGIが「3か月以内に売上を300万円アップさせる」の場合は、1か月あたりの平均で100万円の売上アップが必要です。平均客単価が10万円の場合、100万円の売上を作るために10件の受注獲得が求められます。商談から受注に至る成約率が50％であれば、10件の受注を獲得するために必要な商談数は20件です。このような流れで、KGI達成に必要な条件を確認していきましょう。

KPIを設定する

KGI達成に向けたプロセスが明確になったら、さらに細分化することでKPIが設定できます。例えば、前述の例では「1か月あたり10件の受注獲得」という目標がKPIの一つです。また、「受注1件あたりの客単価10万円」もKPIとなります。これらのほか、受注獲得に必要な商談件数や、新規問い合わせ数などもKPIとして定めることが可能です。

チームとしてKGIやKPIを設定する場合は、まずチーム全体としてのKGI・KPIを決めた上で各メンバーの担当分を割り振りましょう。例えば、営業担当者が複数名いる場合は、チーム全体のKPIを人数で割ることで、各人が目指すべきKPIが決まります。

また、問い合わせや商談を獲得するマーケティング担当者と、商談を行う営業担当者が別の場合はそれぞれKPIを設定する必要があります。目指すべきKGIを共有した上で、各部門の担当者のKPIを決めることが大切です。

達成状況の確認

KGIやKPIを設定した後は、日次や週次など決まったタイミングで達成状況を確認しながら業務を進めましょう。もし、達成が難しそうなKPIが見つかった場合、早めの対処が必要です。

計画と実際の成果にずれが生じている原因を分析し、施策のやり方や実施するペースを変更することがKPI、KGIの達成につながります。

振り返り

KGIの設定時に決めた期日に達したら、達成度合いを評価し、プロセスを振り返ると次回に活かすことが可能です。成功要因や失敗要因を踏まえてKGIやKPIを設定すると、目標達成の精度が高まります。

おわりに

KPIはビジネスの様々なシーンにおける目標達成に役立つ考え方です。KPIを設定すると、目標や進捗状況を可視化したり、モチベーションを高めたりできます。また、定量的な評価基準としてKPIを活用することも可能です。

最終的なゴールとなるKGIを決めた上で、達成までのプロセスを細分化することで、KPIを適切に設定できます。個人やチームの成果を高めるため、ぜひKPIやKGIを設定してみましょう。